メサ日記

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ポンポン山登山記

12月上旬の土曜日。

暖かく雲一つない晴天の日であった。

 

基本的に休みの日に「予定」という概念のない私はいつものように時間を持て余し、その日は家で朝からペルソナ5をプレイしていた。

一休みして何気なくネットを見たところ、明日の日曜が雨であるという情報が流れてきた。

 

「明日雨なら、天気の良い今日はどこかに出かけたほうがいいんじゃないか…?」

 

ふと私はそう思った。

 

 

しかし、これが間違いだった…

 

 

あまりの天気の良さに、私は突然登山に行こうと思い立ったのだ。

 

近場で手頃な山はないか調べてみる。

 

ポンポン山という変な名前の山が目に入った。大阪と京都にまたがってそびえている山のようで、標高も低かった。

 

「これならサクッと登って帰ってこれるだろう」

そう思った私はすぐに家を出た。

時刻は12時をまわっていた。

 

 

これがいけなかったのだ…

 

 

高槻駅で食料と飲み物などを買い、そこから市営バスに乗る。

 

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バスがしばらく走るとこんな感じの、大阪とは思えないほどのド田舎の風景が見えてきた。

私は田舎に行くとテンションが上がる人間なので、テンションが上がった。

 

 

バスを降りて看板に従ってちょっと歩くと、山の入り口が見えてきた。

 

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こわい(率直な感想)

 

なんとも不吉な雰囲気漂う山の入り口であった。

 

 

ふと時計を見るともう14時半であった。

冬のこんな時間から山に入ることに対する本能的な抵抗感がとてもすごかったが、せっかくここまで来たのに帰るのもまたエネルギーを使うので、何も考えずに進んでみることにした。

 

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しぱらく歩くと、何かよく分からないものが吊るされてあって怖かったが、天気も良いのでどんどん進んでいった。

 

 

10分ぐらい歩くと神峰山寺という大きな山寺に到着した。

 事前に調べた情報によると、そこから一時間ほど登ると本山寺という山寺があり、さらにそこから一時間ほど登ると山頂に着くらしい。

 

 

そこで私は気がついた。

これは…山頂にたどり着く前に日が暮れてしまうのでは…?

 

ここで引き返したほうが良いのではという気持ちになってきた。

しかしこんなところで引き返したら何の為にここまで来たのか分からなくなる…

 

逡巡の末、考えるのが面倒になった私は「何も考えない」という選択肢を選んだ。

何も考えずに山頂に向かって進み始めたのだ。

 

 

これがいけなかった…

 

 

登り始めたのはいいものの、行けども行けどもアスファルトの道であった。

アスファルトの坂道を歩くのは山道を歩くよりも疲れる。

私はへとへとになりながら次のチェックポイントの本山寺にたどり着いた。

 

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この空襲で破壊されたような鳥居のある本山寺の石階段でパンを食べた。もう足が限界なので本当に引き返そうと思ったが、パンを食べたら少し元気になったので腹をくくって山頂まで登ることにした。

 

 

しかし、これがいけなかったのだ…

 

 

本山寺までは下りの登山客とも何人かすれ違ったが、ここから先は人に遭うことが皆無であった。人の気配が無い、逢魔が時の山中。道中やたら目にする「熊に注意」の張り紙。こわい。

 

熊対策と孤独対策のため、私はスマホから最大音量で音楽を流した。「weezer」 の曲をひたすら流しながら登ってたらなんとなく楽しくなってきた。 

 

思えばスマホさえあれば暗くなってもライトを照らすことができるので何も問題はないのである。4回充電できるモバイルバッテリーも持ってきている。何も心配することはない…と急に元気になった私は気炎を吐いた。これがいけなかったのに…

 

 

 

 

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何とか日が暮れる直前に山頂に到達するとこができた。

 

山頂は看板があるだけで、特に見晴らしが良いわけでもなかった。昼なら見晴らしがいいのかもしれないが暗いからよくわからなかった。

 

 

さて降りる前にスマホを充電しなければ、とリュックをあさり、私は重大なことに気がついた。

 

 

バイルバッテリーのケーブルを家に忘れてきた。

 

 

なんてことだ…

打ちひしがれる私をよそに、ちょうどスマホの電池が完全に切れた。

 

 

もう考えている余裕もないので、早歩きで下山を始めた。

途中で完全に日が暮れてしまったので、暗くて足元が良くわからない。下りの道は妙にけもの道だったのでひたすら怖かった。そして熊も怖い。もう音楽は鳴らせないのでひたすら歌を歌いながら下山していった。(あ~~~~暗い~~~かえり~~たい~~という歌詞のオリジナルソング)

 

 

しばらく歩くとアスファルトの道に出た。ここまで足元が暗すぎて何度も転びそうになっていた私は、舗装された道を歩けることを神に感謝した。

 

これで帰れる…

バス停まで2キロという看板が見えたがまるでへっちゃらである。30分ほど歩いて難なくバス停までたどり着いた。

 

 

しかし、最大の危機はここでやってきた

 

バス停でJR高槻駅行きのバスの時間を確認してみると、次のバスは70分後と書いてある。

 

 

まずい…

 

 

私はバス停に辿り着きさえすれば家に帰れるとばかり思い込んでいて、待ち時間という概念が消失していたのだ。

 

完全に山をなめていた私は妙に薄着で、しかも結構汗をかいている。周りには何も無い。

ちょっと先の電光掲示板には「5」という数字が表示されている。考えたくないがあれは恐らく現在の気温のことだろう。このままでは、凍…死…

 

 

しかしちょっと歩いた先に喫茶店のような店があり、そこに入ってバスの時間までホットコーヒーをすすることで事なきを得たのであった。

 

この店がなかったら恐らく私は死んでいたであろう。なつかしの歌謡曲がうるさく感じるほどの爆音で流れている店で、私は身も心も回復した。

親切にも一口サイズのバウムクーヘンまでくれた店主のおばさん、本当にありがとう…ここに感謝の気持ちを記したい。

 

 

そしてバスに乗って家に帰った。

 

色々書いたけど楽しかったです。

 

 

~fin~